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月間イオニュース vol.8

「沖縄ヘイト」の防波堤に

渡辺豪(オキロン・コアエディター、ジャーナリスト)

【OKIRON/オキロン】記者や研究者を中心にした執筆者が、沖縄に絡むテーマをルポやエッセイ、書評、インタビューなど自由なスタイルで発表し、随時更新(週1、2回めど)している。コア・エディターの松原耕二(TBSキャスター)、宮城大蔵(上智大学教授)、渡辺豪がサイトの管理運営を分担。記事はこの3人に加え、以下のエディター陣のほか、それぞれのネットワークを生かして幅広い分野の方々に随時執筆を依頼している。
エディター:島田尚徳(海邦総研主任研究員)、鈴木英生(毎日新聞記者)、平良好利(獨協大学特任助手)、野添文彬(沖縄国際大学准教授)、比嘉盛友(八重山毎日新聞記者)、山本章子(沖縄国際大学非常勤講師)、屋良健一郎(名桜大学准教授)

Q:韓国・統一地方選の結果は?

A:与党「共に民主党」が歴史的な圧勝

Q1:韓国の統一地方選挙ってなに?

A1:正確には「全国同時地方選挙」と言い、地方自治体である広域自治団体(特別市・広域市・道)と基礎自治団体(市・郡・区)の首長および議会議員を選ぶために行われる選挙をいうんだ。1961年5月の軍事クーデター後にはなかったが、95年6月に「復活」。それまでは中央政府による任命制だった。
統一地方選は4年に1度実施され、6月13日に行われたのが第7回目となる。与党にとっては「史上最大の勝利」、野党にとっては「史上最悪の敗北」の結果となった。
韓国の広域自治体はソウル市、釜山市、大邱市、仁川市、光州市、大田市、蔚山市、世宗市、京畿道、江原道、忠清南・北道、全羅南・北道、慶尚南・北道、済州道の17ヵ所。そのうち与党「共に民主党」がソウル市や、これまで1回も勝てなかった保守地盤の釜山市、蔚山市、慶尚南道を含む14ヵ所で勝利した。保守系の最大野党「自由韓国党」は、大邱市と慶尚北道の2ヵ所しか抑えることができなかった。また「共に民主党」は基礎自治体の首長選でも226ヵ所のうち151ヵ所で勝利。「自由韓国党」の53ヵ所を大きく上回ったよ。

Q2:与党圧勝の要因は?

A2:韓国のメディアは与党圧勝の要因について大方、北南・朝米首脳会談の開催などの動きが大きな後押しとなったと指摘。朝鮮半島の平和体制構築を求める民意が反映されたと報じた。
野党の「自由韓国党」は、北南首脳会談を念頭に「国をまるごと明け渡しますか」というスローガンを掲げて今回の統一地方選に臨んだ。今回の選挙結果は、北南対立をあおる保守守旧勢力に対する厳しい審判でもあったんだ。
統一地方選の投票率は史上2番目に高い60.2%を記録。60%を超えたのは95年の第1回(68.4%)だけだった。
与党の楽勝が予想されていたにもかかわらず投票率が高かった要因について専門家たちは、2016年のキャンドルデモによって朴槿恵弾劾、政権交代を実現させた一般市民たちの経験が作用していると分析した。「自分たちの手で政治を変えることができる」という成功体験が政治参加への意識を高めたということだ。

Q3:文在寅政権の今後の展望は?

A3:文在寅大統領就任1年に際して5月4日に行われた世論調査では、大統領支持率が83%を記録。歴代大統領の就任1年の評価で最も高い数値となった。今回の統一地方選でも、平和の局面をリードしている与党に圧倒的な支持が寄せられていることが確認された。
統一地方選と同時に国会議員の補欠・再選挙が実施された。国会(一院制・定数300議席)は、「共に民主党」118議席、「自由韓国党」113議席と拮抗していたが、今回、「共に民主党」が12選挙区のうち、候補を擁立しなかった1選挙区を除く11選挙区で全勝した。総選挙は2年後に実施される。早くも保守野党の行方が危ぶまれている。ちなみに、「自由韓国党」の洪準杓代表は翌日に代表職を辞任したよ。
文在寅大統領は就任当初から「積弊清算」(積もり積もった悪弊を清算する)を政治課題に掲げ、腐敗政治の刷新をアピールし続けている。朝鮮半島の平和と統一、北南和解協力にも積極的で、今後その勢いが増しそうだ。


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