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大阪補助金裁判控訴審判決/原告敗訴、一審以上に悪質な判決

学校法人大阪朝鮮学園が大阪府と市を相手取り、府・市内の朝鮮学校に対する補助金を不支給とした処分の取り消しと交付の義務付けを求めて起こした裁判(大阪補助金裁判。2012年9月20日提訴)の控訴審判決が3月20日、大阪高等裁判所で言い渡された。高裁は本件控訴をいずれも棄却。一審以上に行政へすり寄った、再びの不当判決だった。

●原告敗訴、落胆の色も


 「本件控訴をいずれも棄却する。控訴費用は控訴人の負担とする」
 法廷では、松田亨裁判長が主文をのべ、ものの10秒足らずで閉廷。傍聴席からは「ふざけるな!」「忖度の司法!」と怒りの声が飛んだが、裁判官らはあっという間にその場を去った。


 この日は80弱の傍聴券を求めて、同胞、日本市民、朝鮮学校児童・生徒ら約250人が雨の降るなか大阪高裁に駆けつけていた。法廷の外で「不当判決」「行政の差別に司法が加担!」と書かれた旗が原告弁護士らによって掲げられると、外で待機していた人々の間に重苦しい雰囲気が広がった。行政による差別を正してほしいとの願いに背く、冷たい判決。当事者、支援者らは悲痛な表情でうつむき、言葉も出ない様子だった。

 丹羽雅雄弁護団長は、夕方に開かれた記者会見で「一審以上に、行政に追随する判決となった。行政の非常に広範な裁量を認める判決。補助金を出すか出さないかによって政治的・経済的な政策を行政が自由に行えてしまう。高裁判決は、むしろそれを支えるものになっている。決して容認することができない」と怒りを込めて話した。

 続いて、大阪朝鮮学園の玄英昭理事長、朝鮮高級学校無償化を求める連絡会・大阪の長崎由美子事務局長がそれぞれ声明を発表した後、朝鮮学校の保護者である申麗順さんが思いをのべた。

 「怒りよりも力が抜けた。政治家や自治体に与えられた無制限の裁量権が私の子どもたちの学ぶ権利を侵害している。いかなる理由があっても、どんな国籍を持っても子どもたちは社会と大人たちに守られないといけないのに、朝鮮学校に通う子どもたちにはそれがなされていない。しかし母親としてはここで立ち止まることも諦めることもできず、今後も未来のために保護者全員で心を一つにしながら前に進んでいきたい」

●行政の「裁量権」認める


 17年1月26日の一審判決で大阪地裁は、補助金を不交付にした府と市の決定は「裁量の範囲内」であって処分に違法性はないとして原告の訴えを全面的に退けた。原告側は2月7日に控訴し、同年8月7日に開かれた控訴審第1回口頭弁論では控訴状と控訴理由書を提出。裁判所が本件要綱の改定内容を適法とした根拠がすべて誤っている、本件要綱の改定は裁量の逸脱・濫用である、などと改めて主張を展開した。…


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